厳密に言えば「SNSでスタッフ・キャストを集めてDVDスルーの映画を製作」ということになるのだが。タイトルが「さよならのkiss」というのは最初に決まっていて、それ以外の要素をほとんどSNS内で調達したという希有なケースである。
「さよならのkiss」予告編
※製作元:
エンドレスフィルム
自主製作映画のメンバーをネットで募るというのは過去にも数多くあったが、商業ベースに乗る媒体でここまでネット・コミュニティ内で人員を募るのは珍しい。これがいわゆる最近流行りのブログとは大きな違い。SNSならではの特性を上手く扱った例として、今後も追随する者も出てくるかもしれない。
ネットの広い海には素人さんでも優れたセンスを持っている人は多いかもしれない。ただ、昨今のブログ・ブームでも囁かれるように、その「優れたセンス」をたとえばブログランキングなどから探そうと思っても、そう簡単には探せないほど「海」は広く深い。
SNSはやはり同じく参加者自体の数は100万規模なのだが、その中に検索すれば辿り着くことのできる様々なコミュニティがあり、そのカテゴリ分けされたコミュニティを見つけることができれば、先ず作品の発表や鑑賞の場を得られるのはブログとは異なるところだ。
この短編作品は『センチメンタルブルー』という作品のDVD版でようやく見られるようだが、興味のある方はぜひ見て欲しい。レンタルもあるでよ。
この作品が本当に面白いかどうかは最終的には視聴者が判断するものだが、このような製作体制が今後も増えていけば、必ず世界に誇れるような、あるいはコアなマニアがウケるような、あるいは茶の間を賑わすような良質な作品が輩出されると思う。その動向を見守りつつ、いつか出演したいものでもある。