ハードウェア信仰にも近いこの国のスペック主義。何故そうなってしまうのかと言えば「評価が楽」だからだ。数字がもたらす効用は説明するまでもない。だから数字が良ければ良いのだ。比較対象は数字だ。というのが最近までの風潮。いわゆる「中身」に相当するコンテンツの「質」などは、評価者によって評価のバラツキが多く、村社会から発展したこの国では最終的な評価は「流行」に左右されていた。もしくはオピニオンリーダーの意見に従い過ぎていたとでも言おうか。
ITmediaライフスタイルの記事とコラム:
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昔、私はテレビっ子だった。重度のテレビ好きではなかったが、結構見ていたと思う。現代のように生活の役に立つ番組も少なく、娯楽色を前面に押し出しているような番組が多かったかと思うが、それを見ているのが楽しかった。
最近は「情報番組」が増えたと思う。見ると少し賢くなったような気分になる番組だ。賢くならなくとも話のネタになるものは多い。生活スタイルが変わったせいかもしれないが、テレビを見る機会が減ってしまったように思う。世代としては「テレビばかり見ていないで勉強しなさい」と言われていた世代だが、見たいと思う番組が少なくなってしまったのは残念なところでもある。それだけ斬新なものもなければ、中身の充実したものも、娯楽性の高いものも減ってしまったということなのか。
歳のせいもあるのかもしれないが、今はNHKの番組が総じて面白い。公共放送の強みなのか、実験的な番組をたまに見ることができるし、輸入してくるドラマも質の高いものが多い。過去にも名作はたくさんあり、それをVODで見られるというのは良いことではないかと思うのだな。
個人的な趣味ではパンチラ先生の出ていた12chのWBSみたいな番組も好きだ。ニュース形式で一切の無駄を省き、最新の情報と専門家の解説が聞けるだけで得した気分になる。専門ニュース番組増えないかなあ。おちゃらけたやつじゃなくて。