よほどニュースを見ない人でない限り、青色LED訴訟の話は知っているだろう。
ただ、あの訴訟の行方がこんなことになっているとは思わなかった。
nikkeibp.jp(日経ものづくり)の記事(12月25日付):
「中村修二氏と日亜化学が和解へ、青色LED訴訟で東京高裁が勧告」
ニュース以外でもテレビで結構取り上げられていて、その内容だけを鵜呑みにしたら被告側の日亜化学工業が悪者に見える作りだったのだが、実際はそうでもなかったようだ。以下記事より一部引用。
ところが、404特許の場合は一審判決後に、「基本特許ではなく代替技術がある」ことや、「ツーフロー方式には特許や論文などで先例があり、無効事由が含まれる」ことなど、特許の効力の大きさに関する疑問が、法律の専門家やGaN分野の研究者、同分野のメーカーなどから指摘されてきた。加えて、日亜化学工業は「中村氏以外にも多くの研究者が青色LEDや白色LED、青色LDの発明や事業の推進に関して貢献している」ことを訴えてきた(注:一審において中村氏は「青色LEDを独力で発明した」と主張した)。こうした背景から一審判決に関しては疑問の声が挙がっており、青色LED訴訟に関して裁判所が示す和解金額が、アスパルテーム訴訟と同じく一審判決の相当対価に近いものとなるのか、それとも全く考慮されない金額になるのかが注目される。
つまり「この発明は技術的に唯一無二のものではなく、しかも一人でやったものではない」ということだ。で、結局グダグダになって話が先に進まないから「ここは一つ両者痛み分けと言うことで」と和解勧告が東京高裁から下されたということなのだな。
特にメーカー系の開発者の中には勇気付けられた人も少なからずいたであろう特許噺だっただけに、この結末に肩透かしを食らってはいないか。