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ネットの上の動画像。
 日本でもクチコミで広がって爆発的な人気を呼んでいるYouTubeだが、コンテンツ管理が甘かったりネットの怖さを知らなかった日本メディアの対応はおぼつかないようで。

IT media ニュースの記事(6月7日付):
「「スプー」削除の舞台裏 「YouTube」にテレビ局苦慮」

 この「スプー」問題に関しては、番組制作側にも問題はあると思うので何とも言えないが、こういうような問題が出るたびにネットのあちこちで囁かれるのが著作権などの問題である。ただ、私が見る限り(狭い範囲だが)、ネット上の著作権問題の議論でスマートに収束した掲示板なりチャットのやり取りはお目にかかったことがない。それはやはり著作権に対する認識のバラツキにあるのではないかと思うのだがいかがなものか。

※参考:文化庁サイト
「著作権の登録制度について」

 著作権というのは著作物を創作した時点で自動的に発生するものだが、著作権を侵害された場合、侵害された著作者ないしは著作権を保持するという契約を交わしたコンテンツホルダー(著作権移譲先)が訴えない限り、そこには倫理的な問題しか発生しない。つまり「人としてはやってはいけない」という抽象論に終始してしまい、議論の場におけるモラルの度合いによって議論の内容が変わってくる。



 もう少し具体的な話をしようか。

 YouTubeに関して日本の掲示板やチャットなどのやり取りで囁かれるのは大きく二つ。

1.他人の著作物(主にテレビ番組や映画などの映像)をYouTubeにアップロードすることについて
2.アップロードされた動画像を視聴・あるいはダウンロード、もしくはリンクして紹介することについて

 厳密に言ってしまえば、どちらもまだ法には触れていない。アップロードされたコンテンツ元、たとえばそれがどこかのウェブサイトなどに掲載されていて、そこに「無断で動画像を使用してはならない」旨が表記されていれば法に触れることになるが、その著作元が訴えない限り問題にはならない。
 動画像がネット上でやり取りされる前は画像であったり音源ファイルであったりしたが、それも同じことで、著作元が二次掲載者に「掲載を取り消してくれ」と指示すれば、二次掲載者はそれに従わなければ「訴えられる可能性」が出てくる。ただ、二次掲載者がそのおおもとの著作物を賞賛すれど誹謗中傷していない場合、大概は訴えられないケースが多い。それには昨今話題の「バイラルマーケティング」よろしく、クチコミの認知拡大を狙う著作者側の意図もあったりするからだと思う(それ以前に、そのテの管理には無頓着という体質も多く見られるのかもしれないが)。また、ブログだけでも数百万乱立する世の中だ。いちいち無断掲載されたコンテンツを探すくらいなら放置していた方がマシだと思ってしまう向きもあるだろう。それこそIT系の著作権問題よろしく、爆発的に話題を呼んだ頃に訴えた方が旨みもあると思っているかもしれない。

 前置きが長かったが、このような背景により、YouTubeは表向きは「他者の著作物は掲載するべからず」とあっても、結果的には著作権侵害コンテンツの温床となってしまうことがわかるだろう。前向きに捉えれば、多くの人間に知られざるコンテンツに再度脚光を浴びさせることが可能な場でもあり、それらのコンテンツを抱えていたコンテンツホルダーにとっても悪くない話だったりすることもある。全世界の倫理観が向上されれば(されないと思うけど)、よりよい映像コンテンツの発掘の場となるかもしれない。

 そんなこんなで日本ではこんなサービスが始まろうとしている。

IT media ニュースの記事(6月12日付):
「「ワッチミー!TV」はフジテレビ版「YouTube」か」

 この記事で取り上げられたのは日本版YouTubeになりうるかもしれないと囁かれる、フジテレビの社内ベンチャーが立ち上げたサービス「ワッチミー!」だ。このサービスの特徴として、投稿された動画像は一旦スタッフがチェックしてから一般ユーザー向けにアップロードするという「著作権を守る仕組み」を取り入れているところ。そこまで言い切るのだから、容易にダウンロードされて他所で二次使用されないような仕組みになっているだろうが、果たしてこのサービスは流行るだろうか。

「ワッチミー!」側のもう一つの売りは「アマチュアの中から新たな映像作家を発掘する」という点にあるらしい。この点については評価者側の質、視聴者の質にもよるので一概に何とも言えないが、クリエイターやクリエイターの卵たちにとっては良い作品発表の場となるだろう。そこのところで一つや二つでも話題となる作品が出てくれば、このサービスとしては半分成功したも同然と言える。

 既に非営利団体向けのYouTubeライクな仕組みのVOLUMEONE(ボリュームワン)や、携帯からの動画アップも可能なFlipClip(フリップクリップ)などのサービスも立ち上がっているので、優秀なクリエイターを発掘する場には事欠かない体制になっている。著作物の不法二次使用の問題も国内においてはクリアされるだろう。ただ、国内に絞られたサービスという点と、パロディやコラージュなどの著作物二次使用「作品」が出てこない(可能性が高い)となると、結果的にそのサービスから輩出される「優秀な著作者」が誕生する確率も低くなるんじゃないかと思うのは考えすぎだろうか。

 先の「スプー」問題で躍起になる公共放送団体の気持ちもわからいではない。ただ、これを放送してしまって、それがここまで盛り上がっているのだから、それを逆手にとって自ら利用するくらいにならないと(いくら全国の子どもから老人が見ているとはいえ)「新たな創造物」を生み出す土壌は固まらないのではなかろうか。

 著作権とアーティストの関係性もこの国ではいびつなようで。そこらへんはこのコラム記事を参考にしていただきたい。

IT media LifeStyle のコラム記事(6月12日付):
「「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言」
by bhaus | 2006-06-13 10:05 | [サービス]
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